モデリングデータはちゃんと渡せてますか?(入出力フォーマットの話)

金額が安く導入がしやすいRhinocerosですが、Rhinocerosをこれから導入しようとしている方やモデリングを仕事として使用されている方で最も興味があるのは、もちろんモデリングツールとしての使い勝手だと思います。

次に興味があるところとしては、データの受け渡しフォーマットについてではないでしょうか。

設計者からの3DCADデータや2Dデザイナーからの二次元のデータ、そしてモデリング後のデータの渡し方など。

本日はRhinocerosのデータの受け渡しについて少し紹介しようかと思います。



Rhinocerosの入出力フォーマットについて


Rhinocerosは標準で以下のように非常に多数のフォーマットをサポートしています。


【入力フォーマット】
3Dstudio, AdobeIllustrator, AutoCAD(dxf, dwg), DirectX, EPS, GHS, IGES, LightWave, Microstation, MicroBuilder, NextEngineScan, OBJ, OFF, PDF, PLY, Points(asc, csv, txt...), RawTriangles, ReconM, SketchUp, SLC, SolidWorks, STEP, STL, VDA, VRML, WAMIT, ZCorp 【計30種】

【出力フォーマット】
ACIS, AdobeIllustrator, AutoCAD(dxf, dwg), COLLADA, Cult3D, DirectX, EnhancedMetafile, GHS, GoogleEarth, GTS, LightWave, MorayUDO, MotionBuilder, OBJ, Parasolid, PDF, PLY, Points, POV-Ray, RawTriangles, RenderMan, SketchUp, SLC, STL, VDA, VRML, WAMIT, WindowsMetafile, X3D, XAML, XGL, ZCorp 【計33種】

【画像入出力フォーマット】
BMP, Targa, JPEG, PCX, PNG, Tiff 【計6種】


たくさんありますよね。どうでしょうか、お使いの環境またはお取引先の設計用CADで使用しているフォーマットはありましたでしょうか?


AdobeIllustoratorとのデータ交換

Adobe Iluustratorとのパスデータの親和性は高く、DXFを使用するよりそのまま「llustrator形式」で出力したほうがパスが切られることもなくスムーズです。

AIの塗情報はなくなりますが、パスの色情報は維持されます。


3DCADとのデータ交換

複雑な3D形状の場合、上記のフォーマットに記載があっても面データがうまく繋がらないことがあったりします。
もちろんうまくデータ変換できることもあります。

実際のプロダクトデザインの作業現場ではIGESやSTEPといった標準形式に変換して使用しています。このほうがより安定してデータを渡すことができます。

30種のフォーマットは各業界の使用用途に合わせて用意されていますので、使わないファイル形式はずっ~っと使わないんですよね。(汗

IGESとSTEP

ちなみにSTEPは世界標準の3Dフォーマットで、IGESの後継フォーマットとして開発されました。IGESの更新はすでにずいぶん前に終了しているそうです。

またRhinocerosのSTEP出力では【AP203】と【AP214】、【AP214(CC2)】をサポートしています。


【AP203】というのは一般機械設計向けの規準です。色やレイヤーの情報を持っていません。



【AP214】は自動車機械産業向けの規準でAP203との大きな違いは色やレイヤーの情報、幾何寸法やテキスト、注釈が入れられるということですが、Rhinocerosからの出力時には寸法・注釈のテキストデータは仕様により出力できないようです。



【AP214(CC2)】はAP214の第二版ですが内部のパラメータの変更で表面的に大きな違いは無いようです。

STEPは航空機や電気、電子機器等、業界ごとに基準が複数(AP202, AP209, AP210, AP212,AP214, AP224, AP225, AP227, AP232など)あり、今後もバージョンが更新されていくようですので先方との確認の上、常に業界に合わせた最新フォーマットを使用したほうが良さそうです。

(ただしビジュアル要素の強いモデリング業務ではそれほど重要視されていないですね)

Rhinocerosに限らず3DCADは入出力でのトラブルが多いのでデータ受け渡しの事前事後の確認は必要です。


以上、dipross デザイナー 川合 でした。






Comments

Popular posts from this blog

3日でRhino上級レベルのサーフェスの取り扱いを習得!

【Rhino6技術情報_vol.5】Grasshopper(グラスホッパー)の使用

後悔しないモデリング~自動保存ファイルの設定